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【独占取材】元近鉄バファローズ選手会長・礒部公一が斬る、今年の東北楽天ゴールデンイーグルスの見どころ

2020.3.18
礒部公一

──コロナウイルスの影響で開幕が延期となり、たいへん待ち遠しくなっているプロ野球ですが、今シーズンの楽天の展望について、球団創設当初から主力としてご活躍された礒部さんにお伺いしたいと思います。

今年、我が古巣の楽天は面白いですよ。私と同い年の石井一久ゼネラルマネージャーが腕を振るって、かなりのテコ入れがされました。

──具体的な戦力についてお聞きします。投手陣についてはどうでしょう?

先発に転向予定の松井裕樹がどれだけやれるかがポイントになりそうです。楽天は元々、則本昂大、岸孝之という軸がしっかりしています。FAでロッテに移籍した美馬学のアナは、入れ替わる形でロッテから入ってきた涌井秀章が活躍すれば埋まるでしょう。そこで、松井です。先発としてしっかりローテーションを回せば、楽天投手陣は、昨年よりもむしろグレードアップしますよ。オープン戦で打球を右手に当てて退場したのは気がかりですが、大事に至っていなければ、10勝するくらいの力は持っています。

──先発に回ることで、投球スタイルが変わる可能性はありますか?

持ち球の使い方は変わるでしょうね。クローザーのときのように真っすぐとチェンジアップ主体に力で抑え込むというわけにはいかない。カーブやスライダーも元々得意球にしていましたから、変化球の割合は増えると思います。あとはコントロールです。5イニングで3つか4つ四球は出すでしょうけど、それでも抑えられるだけの球威と変化球のキレはあります。

──昨年、成績を挙げた投手と新加入の投手を合わせると、かなりレベルの高い投手陣です。

辛島航や石橋良太も昨年良かったので、投手陣は揃っていますね。西武打線、ソフトバンク打線を相手にしても、ある程度通用すると思います。ですから、開幕直後に大きな連敗などをせずについていければ、シーズンを通してかなりいい勝負をすると思います。

──野手陣についてはどうでしょうか?

鈴木大地がロッテからFAで移籍してきました。また、外国人選手はブラッシュとウィーラーが定着しているうえに、オリックスで実績のあるロメロも獲得しました。あとは、若手で期待されている選手が成長を示せれば、ソフトバンクやオリックスのような強力投手陣相手でも攻略できると思います。

──外野は若手主体の競争になりそうですね。

レフトの島内宏明は確定でしょう。外国人選手はブラッシュとウィーラーが守りとDHを状態に応じて入れ替えながらうまく使っていくことが予想されます。注目は2年目の辰己涼介です。守備は十分使えますし、走れる選手です。あとは昨季打率.229に終わった打撃のレベルを上げてコンスタントに打てるようになれば固定したいところ。ただ、俊足の田中和基やオコエ瑠偉など、他にも候補はいますから、そこは競争です。三木肇監督も走塁の意識改革をしたいところなので、若手の走れる選手を積極的に起用してかき回すことで、今までの楽天とは違ったゲームメイクをしたいでしょうね。

礒部公一

──昨年までサードが多かったウィーラーは、FAでロッテから移籍してきた鈴木大地がサードに収まると起用方法が変わってきそうです。

ウィーラーは基本的には、今季DHになると思います。ブラッシュは若くて守備力もそこそこありますから。(鈴木)大地が三塁メインで起用されるならば、ウィーラーがDH、ブラッシュがライト。ただ、ウィーラー自身は守りたいんですよ。そのあたりを考慮して、シーズン中は、臨機応変に色々と動かすのではないでしょうか。大地も内外野どこのポジションでも守れますから、状況によりサード以外になることもあるでしょうね。

──打線は昨年よりもかなり厚みが増しそうです。

大地を2番に入れると、勝負強さもあるし小技もできるので良いと思います。浅村選手を4番に固定することで、外国人選手を下位打線に置くことが出来るので、打線的にはどの打順でも得点力アップが見込めそうです。昨年は島内が4番を打つことがありましたが、元々4番タイプではないですから、7番あたりだとむしろ面白いですよね。5番には打率3割常連の銀次がいて、6番にDHでウィーラーを入れたら左右ジグザグになって上手く組めそうです。

──楽天打線は主力に左打者が多い印象です。左投手への対応が課題になりそうですね。

ただ、現在は左投手のときにあまり起用されていないだけで、使われれば対応できる打者が多いと思います。左対左は慣れの問題だけです。それに、最近は多くの左投手が右打者対策を講じていて、外角に逃げるチェンジアップや、懐に切れ込むカットボールなどを駆使してくるので、かえって右打者の方が打ちにくいこともあります。西武時代の菊池雄星(マリナーズ)がそうでした。右打者の方がむしろ打てないので、僕がチームにいた頃は、左打者ばかり並べたことがあります。左打者相手だと、菊池は内角へ食い込むような球種がないので、真っすぐと外に逃げるスライダーだけに絞れるという利点があったんです。

──嶋基宏が抜けた捕手や、松井裕樹が先発に回ることでリリーフ投手陣が弱点になることはないですか?

嶋については本人とよく話していましたが、昨年後半はむしろ「チャンスがない」と嘆いていたくらいで、若返りを図るチーム事情を考えたらヤクルトへの移籍は良かったと思います。そのぶん、昨年はルーキーだった太田光がよく使われていました(55試合出場)。光山英和バッテリーコーチも「いかにも捕手らしい捕手」と評価していましたし、投手陣に経験豊富な面々がいるので、投手が育ててくれる期待感があります。穴になるというほどにはならないでしょう。また、リリーフ陣もアメリカの野球を経験してきた牧田和久が加入して、ブニセッツ、森原康平といますから、問題ないと思いますね。

──改めて伺うと、選手層にかなり厚みが出てきたと実感します。今シーズンはかなり良い戦いができそうですね?

もちろん、ペナントが開幕してみないと読めないところはあります。今シーズンは、元々、東京オリンピックが予定されていたため、ただでさえ日程が変則的なる予定でしたが、コロナウイルスの影響による開幕延期によって、さらに読めなくなりました。しかし、だからこそ、混戦になる可能性が高まるとみています。その中で、三木肇・新監督がどのような戦い方をしていくかも注目です。手腕次第では、ソフトバンクや西武などと優勝争いを展開して、パ・リーグを制覇する可能性も十分あります。ファンの方は、ぜひ、期待を込めて応援してください。

取材・文/キビタキビオ

礒部公一 プロフィール
1974年3月12日生まれ、広島県広島市出身。1996年のドラフト会議で3位指名を受け、近鉄バファローズに入団。捕手兼外野手として1年目から一軍に定着し、2003年からは選手会長に就任。2005年に球団合併による分配ドラフトで東北楽天ゴールデンイーグルスに移籍。2007年には巧みなバットコントロールで、一時は首位打者争いに加わった。2009年に現役引退し、翌年からイーグルスのコーチに就任。現在は野球解説者、野球指導者として活躍している。
キビタキビオ プロフィール
1971年生まれ。『野球小僧』(白夜書房)編集部員の傍ら『炎のストップウオッチャー』を連載。2012年フリーに。野球雑誌や週刊誌に寄稿する傍ら、鈴木尚広、秋山翔吾なとプロ野球選手本の構成を多数担当。『球辞苑』(NHK-BS)に出演中。
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